転職活動で気になる求人を見つけたとき、「条件が希望に合っているから応募してみよう」と考えることもあるでしょう。
一方で、実際に入社することになれば、その会社で長い時間を過ごすことになります。
応募する仕事だけでなく、「どのような会社なのか」を事前に知っておくことも転職先を考えるうえでは重要です。
企業研究というと、業界や事業について詳しく分析するイメージがあるかもしれません。
しかし転職活動では、会社概要やこれまでの歩み、拠点、採用情報、最近の動きなど、比較的確認しやすい情報も企業を知る材料になります。
ここでは求人票の細かな読み方や事業内容の分析から少し離れて、応募する会社そのものを知るための企業研究に目を向けていきます。
まずは会社の基本情報を確認する
企業研究を始めるなら、まず会社の基本的な情報を確認してみましょう。
会社名、所在地、設立時期、資本金、従業員数、代表者、拠点など、会社概要にはさまざまな情報が掲載されています。
こうした数字だけで会社の良し悪しを判断することはできません。
しかし、「どのくらいの規模の会社なのか」「本社以外にも拠点があるのか」など、会社の全体像をつかむための手がかりになります。
特に同じような名前の会社が存在する場合には、所在地や法人名などを確認しておくことも大切です。
まず基本情報を押さえ、その会社についてさらに知りたいことを見つけていくと、企業研究を進めやすくなります。
会社の沿革からこれまでの歩みを見る
企業の公式サイトには「沿革」や「会社の歴史」といったページが設けられていることがあります。
設立された年だけでなく、新しい拠点の開設、組織変更、サービスの開始、他社との合併など、これまで会社にどのような変化があったのかを確認できます。
現在の会社情報だけを見るのとは違い、過去から現在までの流れを追えるのが沿革を見るメリットです。
たとえば、長く同じ分野で活動している会社もあれば、途中から新しい分野へ活動の幅を広げている会社もあります。
すべての出来事を細かく覚える必要はありません。
「この会社はどのような経緯で現在の形になったのか」という大まかな流れを把握する程度でも、会社への理解は深まります。
本社だけでなく拠点も確認してみる
会社概要を見るときには、本社所在地だけでなく、支店や営業所などの拠点にも目を向けてみましょう。
東京に本社があっても、全国に支店を展開している会社もあります。一方で、特定の地域を中心に活動している会社もあります。
どこに拠点を設けているのかを見ることで、その会社がどの程度の地域で活動しているのかを知る手がかりになります。
また、転職では「会社の本社がどこにあるか」と「自分がどこで働くか」は別の話です。
本社所在地だけを見て勤務場所を判断せず、自分が応募する際の勤務地については個別に確認する必要があります。
会社全体を見る情報と、自分の応募に関係する情報を分けて考えることも企業研究では重要です。
採用ページから会社が伝えている情報を見る
気になる会社に採用ページがある場合は、求人サイトだけでなく、そこにも目を通してみるとよいでしょう。
採用ページには、会社から応募者に向けたメッセージや社員紹介、社内の取り組みなどが掲載されていることがあります。
社員インタビューがあれば、どのような経歴の人が働いているのか、入社後にどのような経験をしているのかを知る材料になります。
オフィスや社内イベントなどが紹介されている場合もあるでしょう。
ただし、採用ページは企業自身が応募者に向けて情報を発信する場所です。
掲載されている内容だけですべてを判断するのではなく、「会社自身はどのような点を伝えようとしているのか」という視点で見るのがおすすめです。
ニュースやお知らせから最近の動きを見る
企業の公式サイトには、「ニュース」「お知らせ」「プレスリリース」といったページが設けられていることがあります。
企業研究では、こうした最新情報も確認してみましょう。
新しいサービスの発表、拠点の開設、イベントへの参加、他社との取り組みなど、会社概要だけでは分からない最近の動きを知ることができます。
特に会社概要は頻繁に内容が変わるページではありません。
それに対してニュースやお知らせには、比較的新しい情報が掲載されます。
数年前の記事まですべて読む必要はありません。
最近どのような情報が発信されているのかをいくつか確認するだけでも、その会社の現在を知る材料になります。
面接前にもう一度確認しておけば、会社について理解を深めることにもつながるでしょう。
情報がいつ更新されたものか確認する
企業について調べていると、さまざまな時期に公開された情報が検索結果に表示されることがあります。
そこで意識したいのが、情報の更新時期です。
会社の拠点や組織、制度、採用に関する情報などは、時間の経過とともに変わる可能性があります。
数年前の記事に書かれていた内容が、現在もそのままとは限りません。
情報を見つけたときには、掲載日や更新日が表示されていないか確認してみましょう。
特に転職活動では現在の会社について知ることが目的なので、古い情報だけをもとに判断しないことが重要です。
複数のページで異なる内容を見つけた場合には、より新しい情報がないか探してみる方法もあります。
一つの情報源だけで会社を決めつけない
企業研究では、ひとつのページだけを見て会社の印象を決めてしまわないことも大切です。
転職サイト、企業の公式サイト、採用ページなど、それぞれ掲載されている情報には違いがあります。
転職サイトでは募集に関連する情報を探しやすく、公式サイトでは会社概要やニュース、採用ページでは応募者向けの情報などを確認できます。
それぞれ役割が異なるため、「どれか一つだけを見れば十分」と考えるより、知りたい内容に応じて情報源を使い分けるとよいでしょう。
また、インターネット上には第三者による情報もあります。
誰が発信している情報なのか、いつの情報なのかを意識しながら確認することも必要です。
調べて分からなかったことを整理する
企業研究をしたからといって、応募前に会社のすべてを理解できるわけではありません。
むしろ、調べることで新しい疑問が出てくることもあります。
その場合は、分からなかったことをそのままにせず、メモしておくとよいでしょう。
「この情報についてもう少し詳しく知りたい」「実際にはどのように運用されているのだろう」といった疑問は、選考が進んだ際に確認する内容として整理できます。
企業研究は、インターネットだけですべての答えを見つける作業ではありません。
公開されている情報から会社の全体像をつかみ、さらに確認したいことを明確にするところまでが、応募前の企業研究と考えることもできます。
応募前に「どんな会社なのか」を知っておこう
転職前の企業研究では、会社について何もかも詳しく調べる必要はありません。
まず会社概要を確認し、沿革や拠点、採用ページ、最近のお知らせなどへ少しずつ見る範囲を広げてみましょう。
その際には、情報の更新時期や発信元を確認することも忘れないようにします。
企業研究を進めると、求人を見ただけでは分からなかった会社の姿が少しずつ見えてきます。
同時に、「ここはもっと詳しく聞いてみたい」という疑問が生まれることもあるでしょう。
応募前に会社について調べる目的は、情報を大量に集めることではありません。
自分が応募しようとしているのはどのような会社なのかを知り、納得したうえで次のステップに進むための材料を増やすことが大切です。
気になる求人が見つかったら、すぐに応募するだけでなく、一度その会社自体にも目を向けてみましょう。
会社について知ったうえで求人を見ることで、転職先を考える視点も広げられます。
