転職活動で求人を見るとき、仕事内容や給与、勤務地などは詳しく確認していても、「事業内容」は簡単に目を通すだけという人もいるのではないでしょうか。
事業内容には、その会社が誰にどのような商品やサービスを提供しているのか、どの分野でビジネスを展開しているのかといった情報が表れています。
同じ業界、同じ職種の求人であっても、会社の事業が違えば実際の仕事や関わる顧客、将来的なキャリアの選択肢などにも違いが出ることがあります。
求人の条件だけでは分かりにくい会社の姿を知るために、「何をしている会社なのか」というところから転職先を見てみましょう。
事業内容は「会社が何をしているか」を知る基本情報
企業の事業内容には、その会社が提供している商品やサービス、対象となる顧客、取り組んでいる分野などが示されています。
たとえば「IT企業」と一言で表しても、実際の事業はさまざまです。
企業向けのシステムを開発する会社もあれば、自社でWebサービスやアプリを運営する会社、ITインフラの構築や運用を支援する会社もあります。
そのため、業界名や会社名だけでは、実際に何をしている企業なのか十分に理解できないことがあります。
転職先について調べるときは、まず「この会社は誰に、何を提供しているのか」を整理してみると、事業の全体像をつかみやすくなります。
同じ職種でも事業によって仕事は変わる
職種が同じだからといって、仕事内容まで同じとは限りません。
たとえば営業職の場合、法人向けサービスを扱う会社と一般消費者向けの商品を扱う会社では、顧客や営業方法が異なります。
エンジニアの場合も、自社サービスを開発する仕事と、顧客企業のシステム開発に携わる仕事では、プロジェクトへの関わり方に違いがあります。
求人票に記載されている職種名だけを見ていると、こうした違いを見落としてしまうことがあります。
そこで、仕事内容と事業内容をセットで確認してみましょう。
「どの事業のための仕事なのか」が分かると、求人に書かれている業務をより具体的にイメージしやすくなります。
誰を顧客としている事業なのかを見る
事業内容を読むときには、その会社の顧客について考えてみる方法もあります。
企業を顧客とするBtoBの事業なのか、一般消費者に商品やサービスを提供するBtoCの事業なのかによって、仕事の進め方や求められる役割が異なる場合があります。
また、企業向けの事業でも、特定の業界を中心にサービスを提供している会社もあれば、幅広い業界の顧客と取引する会社もあります。
自分がこれまで経験してきた業界との接点があるか、興味のある分野に関われそうかという視点で確認するのもよいでしょう。
「何を提供しているか」だけでなく、「誰に提供しているか」まで見ることで、その会社の仕事をより具体的に考えられます。
複数の事業を持つ会社ではそれぞれを確認する
会社によっては、ひとつではなく複数の事業を展開しています。
たとえばシステム開発だけでなく、IT人材による支援、自社サービスの開発・運営など、異なる形の事業を組み合わせている企業もあります。
こうした会社を見るときに注意したいのが、「会社が行っているすべての事業に自分が関わるわけではない」という点です。
興味のある事業が掲載されていたとしても、応募する求人が別の事業に所属する可能性があります。
そのため、「この会社には面白そうな事業がある」というところで止めず、自分が検討している求人がどの事業に関係しているのかまで確認してみましょう。
会社全体の事業と応募する仕事の関係を見ることが重要です。
主力となる事業にも目を向けてみる
複数の事業を展開している企業では、どの事業も同じ規模とは限りません。
長年続いている中心的な事業もあれば、新しく始めた事業もあります。
企業の公式サイトなどで事業ごとの説明を見ると、どの分野に力を入れているのかが分かることがあります。
また、転職サイトで複数の求人が掲載されている場合には、どの分野で人材を募集しているのかを見るのも参考になります。
ただし、求人の数が多いから必ず主力事業であるとは限りません。
募集人数や採用時期などによって求人の掲載状況は変わるためです。
ひとつの情報だけで決めつけず、事業紹介や求人など複数の情報を組み合わせて見てみましょう。
事業の広がりから仕事の選択肢を考える
会社が複数の事業を展開している場合、それが将来の仕事の選択肢につながる可能性もあります。
たとえば入社時には特定のサービスに関わっていても、経験を積んだあとに別の事業や職種に関わる機会があるかもしれません。
ただし、「複数の事業がある=自由に異動できる」という意味ではありません。
実際にどのようなキャリアの選択肢があるかは、会社の制度や募集内容によって異なります。
事業内容から分かるのは、あくまで「その会社にはどのような仕事の領域があるか」ということです。
気になる分野があれば、求人情報や採用情報で実際の配属やキャリアについて確認してみるとよいでしょう。
事業内容と自分の経験を照らし合わせる
事業内容は、自分の経験や興味との接点を探すためにも活用できます。
これまで同じ業界で働いてきた場合は、業界知識や顧客への理解を活かせる可能性があります。
一方、未経験の業界への転職を考えている場合には、これまでの仕事との共通点を探してみましょう。
たとえば業界は違っても、法人顧客への提案経験、プロジェクト管理、システム開発など、仕事内容には共通する部分があるかもしれません。
「この業界で働いたことがあるか」だけではなく、「この事業の中で自分のどの経験が使えそうか」と考えることで、転職先との接点を見つけやすくなります。
事業内容だけで会社を判断しない
興味のある事業を見つけると、その会社自体にも魅力を感じることがあります。
しかし、事業内容だけで転職先を決めるのは避けたいところです。
実際に働くうえでは、担当する仕事内容、勤務地、給与、勤務時間、働き方なども重要です。
また、会社として取り組んでいる事業と、自分が入社後に担当する仕事が必ずしも一致するとは限りません。
事業内容は「この会社でどのような仕事が行われているのか」を知るための材料のひとつとして活用しましょう。
求人票や企業ページ、採用情報などもあわせて確認することで、自分が実際に働く姿をより具体的に考えられます。
「何をしている会社か」から転職先を考えよう
転職活動では、給与や休日などの条件を比較することも必要です。
しかし、その条件で働く場所が「どのような事業を行っている会社なのか」を知ることも、転職先を考えるうえで大切なポイントになります。
事業内容を見るときは、商品やサービスだけでなく、顧客は誰なのか、複数の事業があるのか、自分が検討している求人はどの事業に関係するのか、といったところまで確認してみましょう。
さらに、自分がこれまで積み重ねてきた経験や、これから関わりたい仕事との接点を考えてみることもできます。
求人に書かれている仕事内容だけを見るのではなく、その背景にある会社の事業まで視野を広げる。
そうすることで、「条件が合う会社」だけではなく、「自分がどのような仕事に関わる会社なのか」という視点からも転職先を考えられるようになるでしょう。

